FM三重『ウィークエンドカフェ』2013年4月27日放送

『お伊勢参り』の歴史を学びながら、伊勢神宮を中心にプチトリップ!
江戸時代の面影を残すまちなみを散策したり、会席料理に舌鼓を打ったり・・・。
神宮の参拝は外宮→内宮が基本ですよ!

130405_153912

今回お話をうかがったたのは、『NPO旧御師丸岡宗大夫邸保存再生会議会』会長の阿形次基さん。
『御師文化』を広めるため、現存している『御師丸岡宗大夫邸』を復元し、貴重な古文書などを調査する活動を行なっています。


■『お伊勢参り』の『御師(おんし)』の役割

今年は式年遷宮ということで、『お伊勢参り』にまつわるお話をしましょう。
伊勢信仰を広め、全国からお伊勢参りにきていただく仕組みを作り、その客人たちをもてなした『御師』という人たちがいました。

村からお神楽料というものをいただき、『御師』がついて、村々から毎年交代で伊勢参宮していただくんです。
行程の宿宿に目配りして、伊勢までちゃんと辿り着くようにし、伊勢で歓待してお帰しするという役目。
お神楽料を支払ってあれば、そこの村の人は、必ず一生に一回はお伊勢参りができるんですよ。


4-27-3

式年遷宮の今年、神宮ではさまざまな催しが開催されます。
また、昨年の2月には遷宮を記念して『せんぐう館』もオープン!
外宮正殿の側面再現模型や渡御御列模型、遷宮シアターなど展示品や施設も充実していますよ。

基本情報はこちら『伊勢神宮』
基本情報はこちら『せんぐう館』





■『御師』と『伊勢河崎』が山田を発展させた!

『御師』が活躍した時代は、御師の館ができるとそこには世古、つまり路地ができました。
そして、世古と世古がつながって山田の町ができたそうです。
町ができると市(いち)が行われるようになり外宮さんの周りでは、三日市、五日市、六日市、八日市と4つの市ができました。
このように御師は伊勢の町を作っていったのです。
江戸時代には、山田地区だけで最大で600軒の『御師』がいたんですよ。

ちなみに『お札』を最初に発行したのも山田の御師。
お伊勢参りで町が栄えたため、金銀銅貨だけでは決済が追いつかず、御師の信用のみで発行したそうです。
いかに山田が栄え、御師が力を持っていたかわかる逸話ですね。

そんな山田の物資供給を担っていたのが、勢田川の水運を利用して大量物資を供給する大問屋街、伊勢河崎です。
明治時代まで、伊勢の商業の中心を担っていました。


SANYO DIGITAL CAMERA
4-27-5

伊勢河崎では、毎月『伊勢のだいどこ市』を開催!
昔ながらのまちなみを散策しながら、『商人蔵のお店』や『伊勢河崎商人館』などを見るのもオススメですよ!

基本情報はこちら『伊勢河崎まちづくり衆』





■再現!『御師』のおもてなし料理

丸岡宗大夫邸を調査していたところ、当時の檀家(お得意さん)名簿と料理控えが発見されました。
なぜ料理控えが残っていたかというと、たくさんの村々から、毎年代表者が来るわけです。
村の◯◯さんが来た時と☓☓さんが来た時で待遇が違う・・・では、怒られるでしょう。
だから、「この一行には何を出した」「あの一行には何を出した」・・・次に来たら何を出すかなどを、この料理控えを見て、料理を作っていたんですね。

一昨年、この料理控えを元に、再現料理を作り、みんなで試食会を行いました。
ご新撰の『アワビ』や『サメのタレ』などが取り入れてあり、やはり伊勢参りの料理だな、と感心しましたよ。


4-27-6

『再現料理』を作ったのは、外宮と丸岡宗大夫邸にほど近い『料理旅館おく文』。


4-27-7

オススメは『伊勢楽市膳プラン』!
伊勢海老・さざえ・伊勢赤どり・さめのたれ・伊勢いも・伊勢うどん・ひじき・伊勢たくあん・・・など、伊勢ならではの四季折々の自然の恵みをとりいれた味を楽しむことができます。
ご宿泊(1泊2食付き)の場合 10,500円(税込)
お食事(伊勢楽市膳)の場合 5,250円(税込)

※現在『再現料理』は提供していません

『おく文』HPはこちら


『お伊勢参り』に欠かせなかった『御師』の存在が、町の発展に大きく貢献していたんですね!
そんな賑わいを今に伝える『伊勢河崎』やお伊勢参りの気分を堪能できる『おく文』、プチ旅行にいかがですか?